昭和10年の設計図

今日は、これから設計が始まる住宅の打合せがあり、クライアントさんの家に訪問しました。敷地内には何棟かの建物がありますが、今回はその内の一棟を解体して建て直し、一棟(打合せをした場所)は手直しをしてそのまま住み続けるという、敷地全体を見直す計画です。

その住み続けていく建物はなんと昭和10年に建てられた建築ですが、先代から受け継ぎ、とても綺麗に維持管理されています。ご家族の歴史や敷地内の建物の変遷についてもお話を伺うことができ、「この場で暮らしてきた想いを継承していくこと」を最優先することになりました。驚いたことに80年近く前の当時の設計図が保管されていました。平面図、立面図、各伏図、矩計図があり、設計事務所名もしっかり記載されています。長生きしているこの建物も、その設計者もとても幸せなことだと思いました。

私が設計させていただいている建物は、いったい何年生き続けてくれるのでしょうか。何十年か後に建物をメンテナンスするようなことがあった場合、設計図が残されていることがとても大事です。50枚くらいの図面からなる設計図の製本ですが、建物と共に50年も100年も残っていてほしいものです。責任重大です。(林 隆)


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