カテゴリー別アーカイブ: 住宅紹介

居間と食堂、家具の置き方(長野県松本市の建築設計事務所)

「見える家」 (長野県東御市、2007年) 【住宅紹介125】 小高い丘の上に建っている家です。室内からは目の前に広がる風景を見下ろしながら、遠くの山並みを一望することができます。 室内空間を組み立てていく段階で、”必要な所に窓をつくる”のと同時に、”必要な所に壁をつくる”、ように意識しています。そして天井の高さ設定がとても重要です。 写真の家は、居間と食堂の位置関係を少し「ずらす」ことによって壁ができ「たまりの場所」をつくっています。その場所には螺旋階段とソファーが置かれ、居間と食堂の領域を緩やかに分離しています。 居間のソファーは、壁を背にした落ち着いた場所に据えられ、そこからは庭や遠くの景色・薪ストーブの炎・テレビを同時に見ることができるベストなポジションです。 食卓テーブルは、キッチンとのつながり方を重視し、外の景色も楽しむこともでき、あえて天井を低目にすることによって落ち着いた雰囲気になっています。広さ、高さ、色彩、素材感、照明計画などやはりバランスが大事ですね。 設計段階で、購入する予定の家具(テーブル、イス、ソファーなど)や電化製品(テレビ、音響機器など)の位置や大きさを想定しながら、照明器具の位置や高さまで整えていかれることをオススメします。  

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湾曲する屋根と壁 (長野県松本市の建築設計事務所)

「黒い筒の家」 (長野県富士見町、2007年) 【住宅紹介124】 静かな森の中、敷地は傾斜していて、何ヶ所か少し水が流れているような湿地帯でした。まずは道路に立ってこの場所を見上げ、周辺環境と建築形態のあり方を考えることから設計がはじまりました。傾斜する地形のつながりを建築という行為によって突然垂直の壁で遮ることのないように、そして建築物が姿を現した後も、地形のラインが低く流れるように見えることを意識しています。  断面形状が円弧を描く”筒状”のこの家は、地形の緩い傾斜に沿ってあたかも大地の中から湧き上がってきたような細長い形状で、地面から縁が切れて浮いています。円弧部分が屋根面、垂直部分が外壁面、水平部分が床面という ”3つの面”によって構成され、シンプルな構造を露出した明快な内部空間になっています。 JIA日本建築家協会優秀建築選、グッドデザイン賞(住宅部門)に選定されました。  

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左官職人の技 (長野県松本市の建築設計事務所)

格子の家(長野県安曇野市、2008年) 【住宅紹介123】 これは住宅の階段です。 床・壁・天井の仕上げはすべて漆喰塗り、幅木と回り縁もなく、一素材、一色彩でぐるりと塗り込みました。 左官屋さんが、コテの押さえ方や調合方法(色彩、硬さ、骨材の種類など)の違う検討用サンプルを作ってくれて、方向性を見い出していくのですが、最後は美的感覚とセンスに委ねるだけです。 まさに「左官職人さんの技」が生み出す不思議な空間になりました。      床・壁・天井が漆喰塗りの階段                                 2階の小さな窓からさし込む「光」が主役で、時間帯によって違う表情を見せてくれます。その背景となる「建築」は脇役です。 ちなみに「格子の家」という名前は、外観と特徴を表しています。

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住宅の外観デザイン (長野県の建築設計事務所)

黒壁の家(長野県松本市、2011年) 【住宅紹介122】 シンプルな外観の住宅。 西側の道路面は、最小限の要素だけで構成されています。 大きな一枚の壁があり、そこにあるものは、間取りとの連動性から、玄関戸・薄い庇・ひとつの窓のみです。 建築主さんと共に、本当に必要な物は何かを見極め、どこまでそぎ落とすことができるのか検討を重ねました。 立面図を描くとわかるのですが、線が少ないのです。最小限の線と、板張りの素材感、落ち着いた色彩(黒とグレーの調合色)により、”壁をデザイン”しました。 晴れている時と曇っている時とでは、まったく違う表情を見せてくれます。信州の情報誌・KURA(4月号)に掲載されています。書店やコンビニで立ち読みしてみて下さい。

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キッチンとつながる食卓テーブル (長野県松本市の建築設計事務所)

「長い切妻の家」 (長野県千曲市、2011年) 【住宅紹介121】 キッチンと食卓テーブルを、製作家具として一体的に造りました。この家の特徴としては、双方の天板の高さをそろえていることです。キッチン廻りの床レベルを一段下げることによって、天板のゾロ納まりが実現できています。 アイランドキッチンの長さは2700㎜、奥行き900㎜。 高さの設定はすごく重要で、ご家族の身長や使い勝手によって設定しています。細かな話しになりますが、スリッパを履くか否か、まな板の厚みや置く場所によってもベストな高さは異なってきます。ちなみにこの家は880㎜です。 6人がけテーブルの長さは2100㎜。 一人当たりの幅が700㎜あると、大人がゆったりと食事をすることができます。 家の中心にこの長さ4800㎜の家具が据わり、皆が集う場所になっています。

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別荘のリノベーション (長野県松本市の建築設計事務所)

「軽井沢S別荘リノベーション」 (長野県軽井沢町、2007年) 【住宅紹介120】 既存建物の間取りを、現代の生活スタイルに合わせて大きく見直した実例です。 新しくできた居間・食堂・キッチンの一体的な空間は、個々に仕切られていた3室を”ひとつながりの空間”として構成し直すことによって生まれました。               写真奥に見えるキッチンのある場所には、以前の建物ではトイレがありました。そのトイレを別の場所へ移動することによって、キッチンと外部空間(既存の屋根付きデッキ)とのつながりが強まり、そこでの食事を楽しめるような場所になりました。 建物のほぼ半分がまったく新しい間取りとして蘇り、新しい快適な暮らしがはじまりました。 

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蓼科高原の別荘 (長野県松本市の建築設計事務所)

「高原の風が吹抜ける家」(長野県茅野市、2004年) 【住宅紹介119】 信州・蓼科高原の大自然の中に建つ別荘です。 多忙な日常生活を離れ、自然と向き合いながら四季を通じて楽しめる ”非日常空間” を創ることが大きなテーマでした。  全面開放できる大きな開口部を、南面と北面に対面するように設けることにより、室内と外部の関係性がより強いものになりました。 また、浮いたイメージの階段、吹抜けを横断する吊り構造のブリッジ、オリジナルデザインの薪ストーブなど遊び心のある仕掛けが、空間をより豊かなものにしています。

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コートハウス + 光 (長野県松本市の建築設計事務所)   

「北に開く家」(長野県松本市、2004年) 【住宅紹介118】   隣地からのプライバシーを守り、落ち着いた住環境を確保するために”中庭”をつくり、この家は南方向に背を向けています。 そして居間・食堂の開放部は、北と東方向に開いています。  白い大きな自立壁に映し出される光と影は、時間帯によって形を変えながら移動し、そこに反射する光により室内は相当明るくなります。南からの直接的な陽射しだけでなく、反射光の効果的な活用によっても豊かな空間をつくることができます。 動く”光と影”によって、時間の流れや季節のうつろいを感じながら暮らせる家になりました。  この家は、第7回長野県建築文化賞/住宅部門/優秀賞 を受賞いたしました。 その時の現地審査には、建築家の伊東豊雄氏と古谷誠章氏に来ていただき、設計のコンセプトについての意見交換をさせていただきました。 

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合唱のための静寂な空間

「森で歌う家」(長野県諏訪郡原村、2005年) 【住宅紹介117】 静かな森の中に佇む週末住宅です。この家のオーナーは、東京での多忙な仕事を終えた週末に、クルマを走らせこの家に向かいます。そこに集まった友人と共に趣味の合唱や楽器演奏を楽しんでいます。 この静寂な空間には大勢の人が集い、歌い、演奏し、聴き、語って楽しみます。時には一人になり想い、考え、願い、祈る場所でもあります。 象徴的な開口部からさし込む光と影によって、”季節と時間”のうつろいを感じながら暮らすことができる家です。 壁の上部にあるステンドグラスは、流れる音色と音符をイメージしながら、facebook友達の新海芳子さん( ステンドグラス工房・SGO信州 )にデザインと制作をしていただきました。 https://www.facebook.com/y.shinkai 林建築設計室の公式サイトは、こちらです。http://www.h-a.jp/                            

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小さな自分の居場所     

「重なる柱状の家」(長野県安曇野市、2009年) 【住宅紹介116】 白いシンプルな空間は、壁と天井の仕上げが漆喰塗りで4層にスキップしています。家族皆の「小さな自分の居場所」を求め、それらの独立性とお互いを感じあう関係性について考えました。 素朴な照明器具、オリジナルデザインの薪ストーブ、数種類の樹種からなる無垢板のテーブルにもこだわっています。2009年度グッドデザイン賞(住宅部門)をいただきました。 詳細は、ホームページをご覧ください。http://www.h-a.jp/Ktb/Ktb.htm  

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