住宅の個室について考える

今日は事務所で、建築主さんと住宅の基本設計2回目の打合せをしました。具体的なプランを見ながら、大きく時間をとって意見交換をさせていただいたことは、「個室のあり方」についてでした。

まずひとつ目は子供室、どこで寝るのかについてです。これは成長に伴ってどんどんどん変化してきそうです。小さい頃は両親と一緒に過ごす時間帯が長く、中学・高校生くらいになれば一人になれる場所があることを本人は望むかもしれません。その後は一旦家を出て一人暮らしになる可能性が高いだろう、という予測がたちます。

ふたつ目はゲストルーム、来客が宿泊する場所についてです。年間何日くらいあるのかよく考えてみると意外に多くはないのです。ここはそのために備えて日頃空けておくのではなく、日常的に何らかのかたちで使える場所である方が好ましいかもしれません。

私のおすすめとしては、同じ規模の家をつくるのであれば、利用頻度の低い部屋がいくつもあるよりは、毎日使う場所を豊かな空間にしておいて、年に数回の特殊な場合は工夫をする、という暮らし方になります。それも前向きに楽しく対応ができるように。その方が間違いなくバランスのいいプランになってきます。ちょっとした発想の切り替えや、思い切って潔く考えていくことが必要になってきますが、ひとつひとつ考え方を整理して積み重ねていくことが、まさに”家づくり”と言えるのかもしれません。話し合いの中で建築主さんから、「特殊な場合にはロフトみたいな場所で寝ようかな、ビジネスホテルでもいいかも・・」という柔軟な話も出ましたが、実は冗談ではなく充分あり得ることかと思いました。

今日の話し合いによって、暮らし方の工夫をしてみることにより部屋数を見直し、個々の場の広さについてもメリハリを付けていくことになり、次回打合せに向けての方向性を見出すことができました。(林 隆)


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